1977年神奈川県横浜市生まれ。立教大学経済学部経営学科卒業後、2001年に株式会社ダイヤモンド・ビッグ社入社。2002年より「地球の歩き方」編集部所属となり、100以上の旅の書籍を手がける。2017年より編集長となり、「御朱印」「島旅」シリーズの拡大、従来のガイドブックシリーズから派生した「旅の図鑑」シリーズや「東京編」を始めとする国内版のプロジェクトを立ち上げる。2021年1月より株式会社地球の歩き方へ。
第2回フォトコンテストには、初回を上回るたくさんのご応募をいただきまして、ありがとうございました。
厳正なる審査を行い、グランプリ1作品、準グランプリ8作品、nskreワーカー特選3作品、佳作32作品を選出いたしました。
受賞作品は、赤坂インターシティAIR 1階 AIR Garden Path にて約1か月半、作品のタイトルやコメントを添えてパネル展示を行い、
また、受賞作品からインスピレーションを受けて制作したバルーンアートも展示いたしました。
- ●主催者挨拶
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当館の魅力である自然がもたらす”癒し“の空間のすぐ近くに、感性や創造性を”刺激”する空間を共存させることで、訪れた方の心に潤いとそよ風を吹き込むことができる場所を作りたいという思いから、赤坂インターシティAIR第2回フォトコンテスト「COLOR OF WONDER」を開催することとなりました。
有難いことに、趣旨に共感いただいた多くの方からご応募をいただき感謝申し上げます。皆様の感性というフィルターを通して、この世界を色々な角度から見させてもらい、大いに心を揺さぶられました。審査も白熱しましたが、審査員の皆様のご協力のもと44作品を選出させていただきました。
- ●実施期間
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募集期間:2024年4月15日(月)~2024年5月31日(金)
展示期間:2024年7月15日(月)~2024年8月31日(土)
展示案内(pdf)をご覧いただけます。
- ●審査員
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株式会社地球の歩き方 取締役/統括編集長 宮田 崇
景観デザイナー/京都市立芸術大学名誉教授 藤本 英子
バルーンデザイナー/アーティスト 神宮 エミ
- ●主催
- 日鉄興和不動産株式会社
- ●後援
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一般社団法人港区観光協会
六本木 蔦屋書店
グランプリ
準グランプリ
- 葉脈ダンス
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人生100年。早送りの日々、眼差しを変えれば、色と光が踊り出す瞬間に出会えることがある。
「葉脈」を眺める あなたの瞳の、その先にある、100年を想って。
ココロオドル「色」との出会いに、いま、心を潤わせて。
- wall
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私の目に飛び込んできた、色とりどりのビビットカラーの家々。
赤やピンクや青や緑。ベネチアの青空に映える、美しい色合い。
これは、以前から行ってみたかった、ベネチア・ブラーノ島での旅の1枚です。
中でも、可愛いピンクの家を見ていると、メルヘンの世界に吸い込まれる様な、優しい気持ちにしてくれる色でした。
- オレンジの待合室
- この写真は空港で出会った光景を写したものだ。全員の搭乗が終わり、人波が去った搭乗ゲート付近には、橙色一色からなる無人の待合室が広がっていた。その鮮やかな色彩と幾何学的な構成に心を動かされ、私はこの写真を撮影した。
- 藤のシャワー
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兵庫県丹波市にある白毫寺の九尺藤、夜にはライトの色味も加わりで多彩な表情を見せてくれました。
藤棚を下から見上げると、夜空をバックに鮮やかな青紫の花が目に飛び込んでくるようで、夢中でシャッターを切りました。
- 森の妖精
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この撮影場所は初めての所でしたが、写友さんからの情報で木道の周辺からヒメボタルが現れるとの情報を元に背景の構図を決めてシャッターを切りました。後は深夜になって現れる森の妖精ヒメボタルの黄色の灯りに感動しながらみんなで撮影しました。
ヒメボタルは背景撮影以外はインターバル撮影となります。
- 芳しきかな、雨上がり後の青紅葉
- 雨に降られて薄暗くなった夕刻、緑の香りに気づき、ふと周りを見ると、わずかに差し込む薄日が青紅葉を照らし、その鮮やかさがまるで燃え立つように感じられました。その緑の美しさに感動し、撮影しました。
- 初めてのパリ、初めての景色、最後の親子二人旅
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初めてのヨーロッパ、憧れのパリ、初めての父との二人旅。
シャルルドゴール空港に降り立ち目にした景色はやっぱりおしゃれで、夢中でシャッターを切りました。旅をした父はもういないけど、父になった今、あの景色は違う色に見えるのかもしれない。
- 流れるタイマー
- 絶え間なく数値が変わり続けるタイマーに惹かれてシャッターを切りました。その際にあえてシャッタースピードを下げることで流れを表現し、赤色を強調することで排他的な雰囲気にしました。
nskreワーカー特選
- a Tradition of Wonder
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渡良瀬遊水地周辺で毎年行われる「ヨシ焼き」の一コマです。
ヨシを焼き払う作業で、生態系管理や防火、景観保全のために行われます。
これにより新たな芽生えが促進され、地域の生物多様性が維持されます。
煙に巻かれる新緑の木々やその中でゴルフを楽しんでいる人々の姿は異様でもあり不思議な光景でした。
- 月面
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青く照らされた砂浜に、浮き上がる無数の足跡
けれど、行き交った人達の姿は今はなく、目の前には真っ黒な海
そして波音以外は静寂で、果てしなく続く青の上、まるで宇宙に1人
月面に来たみたいだな…そんな風景を切り取った瞬間です。
- 色煙
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湧き出す源泉が湯の川となり、形作る滝や池から立ち込める
色煙が辺り一帯を包み込む、彩られることで浮き彫りになった赤い煙が
形を変えながら、ゆっくり漂う光景は、ずっと見ていたいほど美しく幻想的であり
ふと鬼が出てきそうな不気味さもありで、ゾクゾクしながら撮りました。
佳 作
アメリカ横断の夕
斬新鮮
オレンジの光り…その中には入れない
太陽の龍
Let's observe the sunflowers.
秋の始まりを告げる黄昏
故郷の橙.
京都。でもどことなくアメリカン
promenade
舞台裏
Good night my girl
ピンクと速度の階層
御所の桜色/シジュウカラ
派手狂いの神様
もっと赤かった
エメラルドグリーンの湖
祈り。
光に染まるクラゲ
Poppies that dissolved in the sunlight
Color of Japan
Fly
冬のブルーアワー
緑の小道
ニャン
Midnight
夜明け
ぐるぐるぐるぐる、しろしろしろ
立ち止まって眺めたくなる可愛らしい片隅
宮田 崇(みやた たかし)
株式会社地球の歩き方 取締役/統括編集長
藤本 英子(ふじもと ひでこ)
景観デザイナー/京都市立芸術大学名誉教授
1982年京都市立芸術大学美術学部工芸科デザイン専攻卒業後、株式会社東芝入社 1989年に公共空間デザイナーとして独立 1992年建築事務所エフ・デザイン設立。博士(芸術)。大津市草津市連携で「びわこ東海道景観基本計画」策定の委員長等、行政の景観関連各種委員、景観アドバイザーを多く務める。単著『市民のための景観まちづくりガイド』、『公共空間の景観力』。共著多数。
国土交通省近畿地方整備局景観アドバイザー 一般社団法人日本景観文化研究機構代表理事長 一般社団法人芸術工学会評議委員 一般社団法人システム科学研究所理事 一般社団法人大阪デザインセンター理事 他
神宮 エミ(じんぐう えみ)
バルーンデザイナー/アーティスト
2013年からバルーンパフォーマーの活動をスタートし、2014年以降国内のバルーンの大会で多数の賞を受賞。NY・ロンドン・ミラノ・パリのファッションウィークで、フラッシュファッションショーを行いながら各都市をイメージした作品を発信する世界ツアーを行う。2018年にバルーンアートの全米大会ドレス部門で優勝し、2019年にはバルーンのブランドとして初めてとなるバンクーバーファッションウィークでコレクションを発表。KDDI「inspired by INFOBAR」やUNIQLO TOKYOのキッズエリア装飾、大統領選時アメリカ大使館公邸など、広告・装飾・イベントから、全国の小児病棟の子どもたちにバルーンを届ける活動にも力を入れている。
- グランプリ受賞作品とバルーンアートのコラボレーション
- 神宮 エミ(じんぐう えみ)バルーンデザイナー/アーティスト
バルーンの作品を制作する際、特に朝日の美しい色彩に魅了され、それを透明のバルーンの中に絵の具を入れることで再現することに決めました。光と影、色彩と質感の調和を追求し、色の選びには細心の注意を払い、何度も試行錯誤を重ねました。
一粒一粒のバルーンに朝日のグラデーションを丁寧に表現し、その荘厳さや温かさをバルーンの質感と融合させることで、朝日とバルーンが共に持つ、永遠ではない儚さとそれゆえの美しさを感じる作品ができたのではないかと思います。この作品が多くの人々に新しい可能性と感動を伝えられれば幸いです。
●審査会
6月上旬、赤坂インターシティAIRの会議室にて、審査会を行いました。
応募総数は923作品。一次審査を通過した95作品を審査会場に展示し、3名の審査員と主催者が投票、投票数の多い作品は決選投票を行うなど、白熱した審査会となりました。
応募いただいた作品から受け取れるメインカラーごとにグルーピングして審査会場に掲出・投影しました。似た被写体や場面でも注目している色や印象が異なるものもあり、撮影者による感性の違いを見ることができました。
今回は作品にタイトルを付けて応募いただいたことで、審査員の方々の想像が膨らみ、様々なシチュエーションやストーリーを話しあい、大いに盛り上がっていました。タイトル以外に付けられたハッシュタグにも意味を見出すなど、Instagramらしさもありました。
自らも国内や海外のコンテストに応募し多数受賞されているバルーンアーティストの神宮さんは、「コンテストはチャレンジだったり、自分を表現する場なので、参加した方は相当な想いを持って応募してくださったと思います」とすべての作品をじっくり何度も何度も見て投票されていました。
“地球の歩き方”統括編集長で、世界70ヵ国以上を旅している宮田さんは、「実際に旅をしなくても、日常の中に旅のマインドを盛り込むことで旅している気分になれる。写真を通じて波長が合う感覚があると嬉しいですね」と写真とタイトルの妙などを楽しんでおられました。
景観アドバイザーで写真も多く撮影される藤本さんは、「被写体となっているモノであったり、そのシーンをつくった人は何とも思っていないことでも、受け取る側の切り取り方によって、ドラマチックに写っているのが面白いですね」と被写体の裏側や撮影者の感性を細やかに観察されていました。
●授賞式
7月下旬の夕方、赤坂インターシティAIR “TWELVE GARDENS ”にて、授賞式を行いました。
お忙しい中、グランプリ、準グランプリ、nskreワーカー特選を受賞された方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。
受賞された方々を会場中央にお呼びし、審査員から賞品のお食事券と副賞のアクリルフォトを進呈しました。おひとりおひとりから作品の説明や撮影時の想いをお話いただくと、会場のみなさんが興味深く聞き入っていました。
授賞式に続いて、懇親会を行いました。
受賞者の方どうし、または審査員の方々と交流され、自己紹介や近況報告、写真談義など、積極的にお話されていました。
バルーンデザイナーの神宮さんがこの日着用されていたバルーンのコスチュームを、みなさんが順番に着用して記念撮影をするなど、終始笑顔の絶えない会となりました。
そして、ここで何をしているのだろうか、と想像する。そんな余白のある一枚でありたいと思っています。これからも、目の前で起きる何気ない偶然を残していきたいです。この度は、数ある作品から選んでいただき、ありがとうございました。
宮田 崇
株式会社地球の歩き方
取締役/統括編集長
旅人の想像力を掻き立てる。ここはドバイ屈指の撮影スポット、サンライズビーチ。その名のとおり、高層ビルの向こうから昇る太陽を望むことができる砂浜で、これは日が昇る直前に現れるマジックアワーの直後だろうか。気になる人たちが映り込んでいる。手にはデッキブラシのようなものを持っている。人影になっており詳細がわからない。きっと前日訪れた旅人たちの足跡やゴミを集め、今日の旅人たちを受け入れるための作業をしているのであろう。我々の旅がいつも誰かに支えられていることを気づかせてくれる1枚。いや、デッキブラシを持っているのでN.Y.のオフ・ブロードウェイで人気のストンプのメンバーが練習しているのかもしれない…。
藤本 英子
景観デザイナー/
京都市立芸術大学名誉教授
写真は無言だが私たちに多くのことを、語りかけてくる。この写真の魅力は、光の明暗ながら、色を感じさせないシルエットがメインとなり、夜明け前の朝焼けか空が一番美しい表情を持つ時間帯の色彩を象徴的に見せている。そして水面に映るその色彩が、間のビル群を際立たせる。加えて、人の営みの動きのある表情と、形を変えずただ立ち並ぶビル群のクールな硬さが、対比的にそれぞれの魅力を高め合っている。この一枚に込められた世界が語りかけてくる魅力に、限りなく惹かれた。
神宮 エミ
バルーンデザイナー/アーティスト
朝日の美しさを見事に捉え、その光と影のバランスが素晴らしいと感じました。
朝日が空を染める壮大な景色の中、真ん中に配置されたタワーが際立つシルエットを描き、その周りに広がる朝日の色合いが圧倒的な美しさを放っています。
朝日の温かな光がタワーやビル群に落ち、全体に幻想的な雰囲気を醸し出しています。
特に、朝日の美しいグラデーションが空に広がり、視線を引き込む力があります。
また、人物のシルエットがこの光景に奥行きを与え、人物が与える効果も絶妙でした。
人物が何をしているのか気になりつつも、朝日の中で何か楽しいことをしているのではないかと連想させる要素も魅力的です。